【老人保健施設の介護福祉士】人と関わる職場でうまく仕事をするには、人との関わり方と、人から得る情報を見聞きした時の感じ方を考えるのが良い。

【老人保健施設の介護福祉士】人と関わる職場でうまく仕事をするには、人との関わり方と、人から得る情報を見聞きした時の感じ方を考えるのが良い。

【性別】男性
【年齢】(仕事が大変だった当時)
38歳頃

【当時の職業】
老人保健施設の介護士。介護福祉士あり。

【当時の住まい】
親類のマンションで妻と二人暮らし。

【その仕事はまだ続けてる?もう辞めた?】
今も同じ職場で働いている





【就職のきっかけと経緯】
知人の紹介。
得意な仕事もなく、年齢も若くないために就職先がなかったため、知人に紹介してもらった。
必要なものと言えば生活費でした。

【環境と仕事内容】
体の不自由な高齢者や、認知症の症状のある高齢者の日常生活介護。
食事介助、トイレでの排せつ介助、おむつの交換、入浴、移乗介助、など。
体の不自由な高齢者や、認知症の高齢者は、一般のその辺にいる人々とは違い、耳は遠く会話も難しい、言っていることが理解できない、今何をすべきかわからない、昼夜の区別がわからない、など、日常生活に支障があり、それについての不安感も抱えている。
介助されていることにも理解が得られない場合もある。
日勤、夜勤、早番、遅番など、シフト制の仕事で、生活リズムが整えにくい。
給料は各種手当込みで手取り17〜18万円。
職員は利用者60人に対して30人くらい。
休日は月9日。

【大変だった時期】
5年ほど働いた頃。
介護士としての知識や技術を覚えてきた頃。




【大変だったこと】
体力を使う。
腰が痛い。
職員数がいるように見えて、実は少ない。
給料が少ないと嘆く職員が多く、それに伴い仕事へのモチベーションが感じられない職員が多い。
体の不自由な高齢者は、日常的な不安感から、あまり集団生活になじんでくれない人も多い。
そもそも理解すらしていない人もいる。
勉強していくにつれて、ここの施設の職員の介護技術が、理想の介護とかけ離れていることに気づき、モチベーションの低い職員と一緒に仕事をすることが苦痛でたまらなかった。
また、ほかの職員の愚痴や、職員への悪口、利用者様への悪口が聞くに堪えない。
そのうえで体力と精神力が削られることで、本業である利用者様と思ったように関わることができない。
とにかくイライラしてしょうがなかった。

【大変だった期間】
就職して3〜4年くらいして、仕事を覚えたころから、部署移動するまで。
4〜5年間。
今は、また元の部署に戻って働いているが、大変だったころと比べると、驚くほど気持ちを楽にして働くことができている。




【当時の心境】
常にイライラしていて、ちょっとしたことに片意地を張ったように正論をぶつけ、周囲の職員を困らせていたと思う。
体がきついとか、高齢者の相手がきつい、ということよりも、介護に対して周囲の職員が非常に消極的だったことがとてもつらかった。
それでも、管理職の一部の人は、これほどまでイライラとトゲトゲしい私に対して、理解をしてくれていたことが、唯一の救いだった。
それでも、周囲から孤立していった。

【職場が大変だった原因】
自分のせい。
自分の勉強した知識と技術を、何の疑問もなく正しいと思っていたことが原因。
周りを巻き込んで介護の質を上げられなかった自分の技術不足としか言いようがない。




【仕事で良かったこと】
人に意見し、人の意見を聞き、理想の介護と現実の介護の違いを見つけて、その違いはどうして起こるのかを理解し、その違いを理想の介護に少しでも近づけられた時は、とても楽しい。
対応が難しい利用者様が、自分(私)の考える丁寧な対応の実戦で、落ち着きを保つことができた時など、やりがいがある仕事と思う。
また、シフト制や夜勤明けの日など、自由な時間も多く、そのあたりは気に入っている。




【特にひどかった最悪の出来事】
私の目の前で、身体拘束に当てはまりそうな、非常にグレーな対応をしていたのを目の当たりにしたとき。
身体拘束は、精神を安定させないので、そういう非社会的ケアは多くの場合、介護の仕事を大変にさせるので、もう、利用者様の気持ちの乱れや、自分に降りかかる今後のケアの大変さを考えると、ひどく気持ちがいら立った。
その対応をした職員には、そういう不適切なケアをすることの利点を説明してもらいたかった。
利用者様がおむつ交換を嫌がっているのを、二人がかりで抑えながら力ずくで交換している様子を見るのもつらかった。
汚れたものを交換しなければならないのに、それを利用者様が理解してくれなくて、そういった力ずくでの介護を、別のやり方で、利用者様と職員がお互い気分よくできないものかと悩んだ。




【相談した人・助けてくれた人】
理解ある上司がいてくれたので、愚痴をこぼすことはできた。
言いつけるのでは結局「誰がそんなことを言っていたのだ」と責められることもあり、うまく改善はしなかったが、自分の考えを理解してもらえるだけでも、大変な救いだった。

【改善のための行動】
誰が見ても不適切に見えるケアや、今の介護のレベルがさらに悪化するようなケアを見た場合は指摘し、それに対してその職員を責めず、自分(私)もイライラしないように努めた。
あまりうまくできなかったが、少しずつ自分の精神状態は改善していった。




【現在の状況と心境の変化】
今は11年目になり、仕事に対してイライラすることはほとんどなくなった。
仕事は充実していないが、必要なことを、自分の感情や正論を入れずに、相手の性格や立場を見ながら、改善できることを指摘するようにしている。
給料は世間一般に知られるように安いものだが、それでもあまり不平不満はない。
また、空いている時間を使って収入アップ目指そうと思っている。
あと仕事と関係があるかどうかわからないが、離婚することで自分の生活に余裕ができた。

【学んだこと】
人との関わり方と、自分との向き合い方。
この二点。
利用者様との関わり方、周囲の職員との関わり方。
自分の感情のコントロールと周囲の情報の感じ方。



【当時の自分へのアドバイス】
よく頑張った。
おかげで今の自分がいる。
体を壊すことなく仕事を続けてきたことは、何よりも大きな成果だと思うし、いろんなことをよく考えて、最終的にはこんなに今のように気持ちを楽にして仕事ができるようになったことは、とにかく助かった。
それがなければもしかしたら今の自分はまともな仕事に就けなかったかもしれない。